
九十九里浜周辺には、イワシの加工場と干場を結ぶ小さなトロッコ軌道が点在していた。水揚げ・加工されたイワシや煮干しなどを運ぶためのもので、海岸沿いの水産加工を支える実用的な産業軌道として使われていた。
九十九里では古くからイワシ漁と加工が盛んで、干鰯などは砂浜で天日干しされ、江戸時代には全国へ出荷される重要な産物となった。そうした土地ならではの産業の中に、小さな軌道も組み込まれていた。
現在では多くが姿を消したが、場所によっては加工場の敷地内などにレールやトロッコが残る。鉄道というより作業設備に近い存在ながら、九十九里のイワシ産業を足元から支えた興味深い軌道。
