
波賀森林鉄道は、兵庫県宍粟市波賀町で木材輸送を担っていた森林鉄道。大正期に整備され、1968年に全線が廃止されたが、地元の「波賀元気づくりネットワーク協議会」が地域の歴史を伝え、活性化につなげるために復活プロジェクトを進めてきた。2024年にはフォレストステーション波賀の敷地内に軌道が完成し、半世紀以上を経て林鉄が走る姿が戻った。
復活した軌道の総延長は678m。かつての廃線跡を復旧したものではなく、新たに敷設された線路で機関車を運行している。整備には多くのボランティアが参加し、地元の子どもたちもレールの敷設を手伝った。完成後には乗車体験会も行われ、地域の人々が森林鉄道に触れる機会が生まれている。
また、山中に残る橋梁やトンネルなどの遺構についても調査が進められ、2024年には廃線跡などの遺構群が産業遺産学会の「推薦産業遺産」に認定された。機関車を走らせる活動と、かつての路線を記録・継承する活動の両面から、波賀の林業を支えた森林鉄道の歴史を次世代へ伝えている。
